第23回「墓を建てる」
最近、お墓にハマってます。
といっても、まぁ、ゲームの背景の話なのですが。
今回の新世界プロジェクト、ゲームの舞台となる浅草に取材に行ったり、海に遊びに行ったり、大学に潜入したりと、あちこち取材をして、参考資料用の写真を撮ってきたのですが、どうしても撮影できなかった場所、それがお墓です。
そりゃ、ま、お墓はどこにでもあるので実際に取材に行くことは簡単なのですが、だからといって人様のお墓に行って、勝手に写真を撮ったり、ゲームの背景のモデルにすることがどうしてもはばかられたので、お墓のシーンに関してはオリジナルで作ることにして、ただいまPC上でせっせとお墓を建てています。
今回のゲームでは、現実にある場所は実際に取材に行って、可能であれば写真を撮ってきて、その写真を元に発注用の資料を作っています。
もちろん実名の使用や、実デザインの使用許可を頂いている場合なのですけどね。
そうじゃない場合や、現実にないオリジナルの場所は、どうしても絵を描いたり、文字設定や参考資料を用意しなくちゃなりません。
あと、どんな構図で背景を描いてもらうかの「レイアウト」が必要になります。
最近の僕の背景レイアウトの作成方法は、撮ってきた写真をパーツごとにバラバにして、3Dソフト上で配置して再構成するという、なんちゃって3D活用法です。
これだと、カメラの位置や高さ、オブジェクトの位置関係などを、ある程度後から調整できるので結構楽かもしれない、ということにこの時期になって気づきました。
それならそれで、取材の仕方も変わったかもなぁ……ま、いいけど。
そうしてできた3D空間に、お墓のガイドとなる立体を配置すれば、おお、レイアウトが完成だ。
僕が作るのはあくまで「レイアウト」なので精巧な3Dモデルを作る必要もないですし(っていうか作れないし!)、3Dソフトを使うとある程度パースを正確に取れるので、実際にキャラクターを手前に配置してみて画面の仕上がりイメージを確認できるのでおススメです。
ちょっと前までは、無理やり写真をコラージュしたりもしていたのですが、どうしてもパースがバラバラになったり、全体的に違和感が出たりと失敗を繰り返していたので……
あと、今回のゲームでは、キャラクターと背景のアイレベル(カメラ位置みたいなもの)を合わせることで、どのシーンでもキャラクターがその風景に自然にマッチするように画面設計をしようと最初に決めていたので、最初からこうしていたら楽だったのかもしれないな。
ま、こういうことって、後で気づくものなのですけどね。
ということで、お墓問題、クリアです(たぶん)。