第60回「オレオワ1人反省会② シナリオ編(後編)」

Twitterやユーザーさんのブログやレビューなどでオレオワの感想を眺めていると、

「話が長い」「くどい」「エロい」という、なんかモテないなオジサンの三大要素みたいな

評価を頂いていて、つまりそれが僕の個性ってことか……と驚愕している森田です。

うーん、作ったものには作り手の顔が現れると言いますからねぇ。

キヲツケヨウ。

 

あと、思っていた以上に女性のユーザーさんにもプレイしていただいているみたいで、

これは予想外で嬉しかった半面、下ネタについてはホント、ゴメンナサイとしか言えない。

でもまぁ、その部分も含めて「俺達の世界わ終っている。」の世界観なので!

もう、これに関しては素直に非難を受けるしかありません……

モウシワケアリマセン。

 

本日のファミ通さんに掲載された見開き広告。 表紙をめくって最初のページなので目立つ! QRコードとCEROマークの位置がオレオワクオリティ。
本日発売の週刊ファミ通さんに掲載された見開き広告。
表紙をめくって最初のページなので目立つ!
QRコードとCEROマークの位置がオレオワクオリティ。

 

というわけで、オレオワ1人反省会(シナリオ編)の後編です。

「反省」と言うか「懺悔」と言うか「言い訳」ですけど。

 

オレオワのシナリオに関しては、いろいろなツッコミ所があるでしょうけど、

総じて「長い」「どう収集つける気なのか分からない」という感想を目にしますね。

 

はい、僕も作りながら同じことを思っていましたから!

どう終わるんだ、コレ!? と。

 

いや、もちろん最初に作ったプロットには、プロローグからエンディングまでの流れを

一通り書いてはいたものの、新世界で起こる事件や、合宿イベントなどは「保留」と

なっている部分が多々ありまして……

だから阿智くんのシナリオと、僕のプロットがわずかな時間差で作られていくという、

何とも不思議な追いかけっこ状態となってしまいました。

 

そんな作り方だから、阿智くんにお願いしていたシナリオが一通り上がってきて

全てをつなげてみて僕は急に不安になりました。

これ、そもそも面白いのだろうか? ……と。

 

いや、プロットの段階では面白いと思っていたんですよ!!

もちろんそれぞれのイベントとか、会話とか、面白い部分はきちんとあるし。

 

でも、なんだかこのまま仕上げても、それなりには面白いかもしれないけど、

全体的には、まぁ普通……という内容になりそうな気がして。

いやいや、このままじゃいけない! となった次第です。

 

ということで、それから大工事が始まりました。

どれくらい大工事かというと、「ジャンクマ後」~「インタールード」までの前半の山場と、

「合宿イベント後」~「エンディング」までの後半のストーリー展開を再構築です!

(プレイしてくれた方なら、どれくらいのボリュームかなんとなく分かっていただけるかと)

 

ということで、阿智くんの作業は終ったのに俺たちの戦いはまだこれからだ状態……

 

その作業を開始した時期というのが、今年の3月頃の事。

正確には3月18日~20日の三連休の間にシナリオの構成を作り変えていたようです。

うん。そういえば誰もいない会社で頭を抱えていた記憶が……

 

っていうか、これってアフレコを2か月後に控えているという時期!

本来はこのタイミングでやる作業じゃないのだけど、でもこのタイミングでやらなければ

きっと後悔していただろうし、現に今は全く後悔していないし!

 

などとカッコよく言ったところで、それもこれも僕の計画性の無さが招いたわけですけど。

でも結果オーライ! そして反省!

 

さて。阿智くんに書いてもらったベースがあるとはいえ、再構築するにあたって

当然ですが足りない部分が大量にありました。

 

その部分は僕がプロットという名のセリフだけを書いて、

あとは口頭で指示しながら相方とシナリオの大改造。

本来であればアフレコ用の台本も用意しなくちゃいけない時期なのに……

 

そう、台本。

当たり前ですが、シナリオを完成させないと台本が作れないからアフレコもできない!

しかもキャストさんは皆さん忙しい方々!!

この頃から、音響制作会社さんから、「森田さん台本いつ頃もらえますか?」と、

当たり前のように催促が来るようになります。

 

シナリオの再構築をしながら、まずは前半部分の台本を作るという地獄の日々です。

相方をはじめ、入社してすぐの新人2人もフル回転! お疲れ様でした!

 

あの膨大なテキストを全てチェックして、全体のセリフを整えつつ、

さらにこの期に及んで小ネタを加筆したりしていたものだから、

いつまでたっても台本が完成しないし……

イベントCGとか立ち絵の発注資料とかも作らなきゃだし……

 

最終的にはプロデューサーから「森田さんはシナリオだけに集中してください!」と

釘を刺され、ディレクター業をそっちのけでひたすら台本を仕上げることとなり……

も、もしかしたらこの時に下ネタが増えたのか……? 怖くて確認できない!

 

シナリオをアフレコ台本に仕上げる最終チェック。 赤い文字が森田による最終的な修正で、会話のテンポや言い回し、 説明的すぎる言い回しをキャラクターの言葉にしたりする割と骨の折れる作業。
シナリオをアフレコ台本に仕上げる最終チェック。
赤い文字が森田による最終的な修正で、会話のテンポや言い回し、
説明的すぎる台詞をキャラクターの言葉に直したりする割と骨の折れる作業。

 

キャラ性を出すために、こういうどうでも良い小ネタも最後に仕込みます。 ここはもともとは「残念」だったけどせっかくなので遊んでみました。 その結果、アサノのセリフが一つ増えるけど、「ナイネ」はちょっとお気に入り。
キャラ性を出すために、こういうどうでも良い小ネタも最後に仕込みます。
ここはもともとは「残念」だけだったけど、せっかくなので遊んでみました。
その結果、アサノのセリフが一つ増えるけど、「ナイネ」はちょっとお気に入り。

 

そんなこんなで、5月中旬にアフレコが始まった時点では、

恐ろしいことに後半のシナリオ調整やエンディングは手つかず!

最終章も肝心な部分はほぼ白紙!

キャストさんもスタッフも後半の展開が分からないまま前半部分の収録がスタートし、

昼はアフレコ、夜はシナリオという日々が続きます。

 

もともと自分で書くつもりだったキャラエンディングも間に合いそうにないので、

急きょ、プロットだけ作って阿智くんや相方にお願いしたり、

それでも間に合いそうもなかったから、キャラエンディングの一部とインタールードと

最終章は直接、僕が台本として書き上げるというアクロバティックな作業に……

 

まぁ、この物語にどう決着つけるかは、僕の中にしかなかったので仕方ないのですが、

ディレクターとしては猛省です。

 

だから、特に最終章はものすごく粗削りだけど、ジャッジメント7の気持ちだけで

一気に書き上げたので、なるほどこういう終りなのか……

と、書きながら自分でも納得したという次第。

正直、書いてみるまでどんなふうに着地するのか自分でも分かってなかった……

 

まぁ、気持ちを込め過ぎた分、ちょっとくどい感じなのはご容赦ください。

合宿のあたりや最終章などの、特にくどい部分は、ほぼ僕が書いているので……

 

そして前半部分のアフレコが終わりかけた7月頭に、やっと全てのシナリオが完成!

約2カ月遅れで全ての台本データを納品した夜、それまで一緒に作業してくれた相方を

終電となった駅まで送っていきながら、

 

「今、自分たちが面白いと思えるものは書ききったと思う。

だから、これで誰にも面白いと思ってもらえなかったら仕方ないよなぁ」

 

と話したのをよく覚えています。

 

プレイしてくれた方の中には「面白い」と言ってくださる方もいるので、

やっぱりギリギリまで妥協しなくて良かったな、と今でも思っていますけどね。

 

……と、いい感じの終りにしてみましたが、はい、全て僕の計画が甘かったと反省します!

あと、シナリオが長いのも、セリフがくどいのも、下ネタが多いのも、ぜんぶ僕の責任です!

ごめんなさい!

 

でも、やはり後悔はしてない!

あの勢いが無かったら、こういう形のエンディングにはならなかったかもしれないから。

反省はするけど、後悔はしていないんだからね!